幼稚園の発表会といえば子供の成長に感動し、涙する保護者も多いイベントのひとつです。
そんな我が子の晴れ姿を写真や動画に収め、大切な思い出として何回も見返したい!と思っている人も多いはず。
しかし近年、保護者が個々に撮影することを禁止し、業者や先生が撮影したものを販売する幼稚園が増えています。
なぜそんな事態になったのか。
それは、SNSの普及に伴い撮影する際のマナー違反が増え、クレームが目立つようになったからです。
今回は、実際にどんなマナー違反やクレームがあったのか。また、幼稚園ではどのような経緯で禁止という判断に至ったのかをお話ししたいと思います。
クレームが後を絶たない…撮影禁止になった理由とは
発表会の撮影が禁止となると、我が子をカメラに収めようと張り切っていたパパやママはがっかりですよね。中には腹を立てて文句を言ってくる保護者もいます。
しかし、幼稚園側も意地悪で「撮影禁止」と言っているのではありません。
では、なぜ撮影禁止になってしまうのか。
それは、我が子を撮ることに集中しすぎて周りが見えず、マナー違反をしてしまう保護者が激増したからなんです。
わたしが働いていた幼稚園で本当にあったマナー違反の一部を紹介します。
- 頭より上の位置で三脚を立てて撮影していた為、後ろの人が見えなかった
- 赤ちゃんの泣き声が入ってしまったと文句を言ってトラブルになった
- SNSに無断で他人の子供が写った画像を公開した
- よりよい位置で撮影したいがために場所を割り込んだ
このようなマナー違反があり、クレームが後を絶ちませんでした。
最初の何年かは、幼稚園で発行するおたよりやプログラムに注意喚起を載せたり、当日にアナウンスをしたりという対策をしました。しかしそれでも改善されなかったため、やむを得ず撮影禁止になってしまったんです。
撮影禁止になったのは、マナー違反をする人が増えてしまったから。
クレームについて幼稚園側は対策をしたが、改善されなかったためでした。
本当は撮影禁止になんてしたくない…幼稚園側の苦悩とは?
やむなく撮影禁止にしたんですが、じつは幼稚園側としては撮影禁止になんてしたくないんです。
なぜかというと、個々に撮ってもらった方が幼稚園側は楽だからです。
撮影禁止にすることで写真や動画を販売する必要があり、業者に頼んだり、先生が撮らなくてはならなくなります。
業者に頼む場合は、
- 業者の手配
- 見積もりを出してもらう
- 撮影位置の確保
- 保護者からの注文を取る
- 発注、受け取り
- 各家庭へ配付
先生が撮る場合も、
- 撮影する先生を配置する
- 子供が全員平等に写るように配慮する
- 注文のために写真を貼りだす場所の確保
- 注文された写真を現像する
こんな作業が増えてしまうんです。
このように、幼稚園側も撮影禁止にすることで仕事が増えてしまいます。
安易に禁止にしているわけではないことが分かっていただけるでしょうか。
クレームに対して策を示しているとキリがなく、職員も発表会の準備に忙しい時期に余分に話し合いを行う時間が取れない為、仕方なく禁止にしているということです。
それに、一度撮影禁止にしてしまうと、「もう二度と撮影可能にできない」というのも幼稚園側の辛いところ。
なぜなら、前年は禁止だったのに次の年は可能にしてしまうと、当然、昨年卒園した児童の保護者たちは納得しないからなんです。
幼稚園側の意図で撮影禁止にしている場合も
上の項目では、マナー違反やクレームによって撮影禁止になった場合をお話ししました。
それ以外にも「前向きな意図」がある場合もあります。
それは、レンズを通してではなく、「親の目で直接子供たちの出し物を見てほしい」と思っている場合です。
撮影をしながらだと、レンズ越しに子供を追うことに集中してしまい、内容やその瞬間の子供の表情などを見逃す可能性がありますよね。
思い出としてなら、業者や先生が撮った写真や動画でも振り返れます。
ですが、先生たちはその時その瞬間の子供の姿を「肉眼で見てほしい」とも思っているんです。
マナー違反やクレームなどのネガティブな理由で撮影禁止になってしまう場合も多いですが、じつは幼稚園側の意図で撮影禁止にしている場合もあります。
この話をきくと、撮影禁止になっていなくてもレンズ越しではなく、直接親の目で子供の様子をみてあげたいとも思いませんか?きっと感動が倍増しますよ(*^^*)
まとめ
幼稚園の発表会が撮影禁止になる理由は、マナー違反やクレームが後を絶たないからでした。
幼稚園側も意地悪で撮影禁止にしているわけではないことがわかってもらえたと思います。
一度禁止になってしまうと撮影可能に戻すことがものすごく難しいので、今撮影しても大丈夫な場合は次の年のためにも気をつけてくださいね。
撮影禁止にはネガティブな理由だけでなく、肉眼で発表会をみることのメリットもあります。
もし禁止でなくとも、たまにはレンズ越しではない生の目で、見てあげるのもいいかもしれませんね(*^^*)
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