「おむつはずし」や「トイレトレーニング」に頭を悩ませていませんか?
わたしが幼稚園の先生をやっていた10年間、たくさんのママさんから相談をうけてきました。
どんなに頑張ってもおむつがはずれないと、「発達に問題があるんじゃないか」と思いつめてしまう人もいるほどです。
今回の記事では、おむつばなれができない「本当の理由」をお話しします。
わたしが幼稚園で出会った、なかなかおむつがはずれなかった子供の実例も紹介していますので、お子さんに照らし合わせながら当てはまることがないか参考にしてみてくださいね。
発達の問題でおむつがはずれない子は 100人に1人!
どんなに頑張ってもなかなかおむつがはずれないと「我が子はなにか発達に問題があるのでは?」と考えてしまったりしませんか?
じつは同じように心配する人はたくさんいます。
インターネットでもそのような情報がたくさん載っています。不安になりますよね。
結果からお話しすると、
- どうしてもおむつがはずれない場合、発達に問題があることもある
- しかしそれはごくごく少数でほとんどの心配が取り越し苦労である
- おむつがなかなかはずれない場合は発達の問題を心配するより環境を見直すことが大切
ということです。
「おむつがなかなかはずれない」場合、まず心配して欲しいのは「子供の発達の問題」ではなく「子供の置かれた環境」なんですね。
なぜなら、排泄と子供の気持ちはとても複雑に絡み合っていてそこに理由があることがほとんどだからです。
おむつはずしが進まない場合は、じつは子供の心に悩み事があったり、環境の変化があったりするのかも!?
そんな時は周りの環境を整えたり子供の気持ちに寄り添ってみてください。
案外突然おむつがはずれたりするものなんですよ。
ですので、
おむつがはずれない=発達に問題がある
と心配しすぎないでくださいね。
つまり「おむつがはずれない本当の理由」は、「子供にとって環境や気持ちが整っていないから」ということがほとんどなんです。
とはいえ、かなりの少数ですが、幼稚園で10年間はたらく中で、発達に問題があった子供がいたのも事実です。
人数でいうと、発達に問題があったうち、
- 脳に問題があったのは 1人
- 脳以外の機能に問題があったのは 2人
でした。
しかしどちらの場合も、年中組の途中にはすっかりおむつがはずれたので、こちらも心配しすぎないで大丈夫ですよ。
今から紹介する実例を読んでみてもやっぱり「身体的」や「発達的」に問題があるのでは?と思うのであれば、専門家に相談してみたほうがいいです。
まずはお家の人が安心することが大切ですからね。
それでは幼稚園であった実例を3つ紹介していきたいと思います。
環境が変わり気持ちが不安定になってしまったAちゃんの場合
Aちゃんは4月生まれで、しっかりした女の子。
ママもとても熱心で、トイレに関する心配なく入園してきました。
しかし、入園後しばらくして毎日のようにおうちで失敗するように。
本人もママもショックを受けている様子でした。
Aちゃんの場合、幼稚園では失敗はしませんでした。
慣れない幼稚園生活で頑張りすぎるあまり、おうちでは緊張の糸が切れて失敗してしまうようでした。
そこで、おうちで失敗しても叱ることはせず、ママにたくさん甘えられる環境を作り、幼稚園でもリラックスして過ごせるように対応したところ、徐々に失敗しなくなりました。
こちらは、幼稚園に入園したという環境の変化が原因で失敗するようになってしまった例です。
入園時にはこのような子供は割合多くいます。
しっかりした子供に多く、失敗したショックにより長引く可能性もあるので、本人が望むのであればしばらくの間おむつに戻してあげても大丈夫です。
うまくいっているように見えても、ある日突然おむつに逆戻りということもよくあることです。
焦らなくて大丈夫ですよ。
おむつに戻しても、トイレに行く習慣は続けましょうね。
膀胱の発達がゆっくりだったB君の場合
Bくんは、おうちでも幼稚園でも気持ちは安定しているようでしたが、なかなかトイレトレーニングが進みません。
幼稚園で10分に1回と頻繁にトイレにいくように対応すると、その度に少しずつ出ている様子でした。
なかなかトイレの間隔がのびないことを心配して、お家の人が病院に連れていくと、「膀胱でおしっこを溜める機能がまだ充分に発達していない」といわれたそう。
しばらくの間は無理せずおむつで過ごし、みんなと同じタイミングでトイレに行き、徐々におむつが濡れなくなり、無事におむつがはずれました。
こちらは、「身体的な理由」があった例です。
子供のトイレの間隔やその都度出ている量を把握することも、おむつはずしには欠かせないことです。
身体的な理由があることが分かり、お家の人の焦りやストレスもなくなったようでした。
「何かおかしいな」と思ったら、専門家に相談するのも大事な選択の一つですね。
トイレが怖くてしかたなかったCちゃんの場合
Cちゃんは、トイレという場所が怖くてなかなかおむつがはずれませんでした。
おうちでも幼稚園でもトイレに行くことすら拒否。
ママも原因が分からず困っていました。
怖い理由を聞いても、「虫がいるから」「おばけがいる」などと毎回違う理由。
おうちでも幼稚園でも色々な方法を試し、そのうちにお気に入りのぬいぐるみを連れていけば、トイレに行けることが分かりました。
トイレに行けるようになるとすぐにおむつがはずれました。
こういった例の場合は全くおむつはずしが進まず、お家の人が困ったりイライラしてしまうことがあります。
子供の場合トイレに限らず「なんだか嫌な気持ちだけど自分でもなにが嫌なのか分からない」と感じることが多々あります。
それはまだ経験が少なく、自分の気持ちや感じていることを言葉にすることが難しいから。
Cちゃんの中では、トイレが怖いと思う明確な理由があったんだと思います。
それを言葉で表現できなかったので、結局わたしたちは本当の理由は分からずじまいでした。
しかし、お気に入りのぬいぐるみがCちゃんの気持ちを落ち着かせてくれたのでしょう。
こういった場合はまず、子供の「怖い」「嫌だ」という気持ちを汲んであげましょう。
「言い訳しないの!」
「いいから行きなさい!」
などと子供の気持ちを無視するような声かけは逆効果。
安心してトイレに行けるよう、手当たり次第色々な方法を試すのが一番です。
手間も時間もかかりますが、大丈夫。いつかはすんなりトイレに行ける時がきます。
時には周りの人にアイデアをもらいながら、根気強く付き合っていきましょう。
まとめ
おむつがはずれない場合、環境や気持ちの変化に理由があることがほとんどであることが分かりました。
おむつはずしがうまくいかない場合は、子供が不安を抱えていないかや、環境に変化がないかなどをよくみてあげましょう。
実例には書きませんでしたが、じつは「夫婦喧嘩」の影響でおむつがはずれない子も結構多いんです。
子供は意外と繊細なんですね。
おむつをはずすためには周りの環境を整えたり、子供の気持ちに寄り添うことがなによりの近道かもしれません。
トイレトレーニングをすることによって、生まれてからずっとおむつに排泄していた習慣を、ある日突然変えられるんです。
子供にとってそれ自体がストレスになりかねません。
そんな気持ちもわかってあげられたら、少しの失敗もイヤイヤも大目に見られるような気がしてきませんか?
無理はせず明るい気持ちに取り組んでみてくださいね。
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