小学校への入学が迫っていると、さまざまな心配事が出てきます。
「ひらがなが書けない」という心配もそのひとつなのではないでしょうか。
結論から言うと、
ひらがなは、入学前までに書けなくても大丈夫です!
しかし、「まったく書けないよりは書けた方がいい」というのも事実。
わたしは元々幼稚園の先生をしていて、年長組の教え子を小学校に進学させるにあたり、小学校の先生たちと情報交換をする機会が何度もありました。
今回はひらがなの書き取りについて、小学校の先生から聞いたお話と、幼稚園で実際に行なっていた学習のポイントをまじえてお伝えしていきたいと思います。
焦らなくても大丈夫!書き取りより読みの練習が重要
「もうすぐ小学校入学なのにうちの子はひらがなが書けない!どうしよう!?」と思っている方、安心してください。
ひらがなが書けないからといって焦りすぎる必要はありません。
なぜかというと、小学校では「読み」→「書き」の順で学習するんですね。なのでまず大切なのは「読み方の練習」なんです。
小学校の先生曰く、
「ひらがながまったく読めない場合は、入学までに読めるように学習する必要があるけれど、書き取りはそこまで急がなくても大丈夫」
とのこと。
むしろ書き取りは焦って適当に覚えてしまうと、後から覚え直すのが大変なんだそうで、学習する場合はポイントを抑えることが大切なんです。
読みは完璧に!書き取りはポイントを押さえて学習しておく! ということを頭にいれておくといいでしょう。
※小学校入学に向けて学習をするのであれば、書き取りよりもまずは「読み方の練習」をすることが重要です。
読み方の学習が完璧な場合は、少しだけ書き取りの練習をしておくことをオススメします。
ひらがな学習の第一歩!まずは名前を書けるようにしよう
書き取りの練習でまず書けるようにしておきたいのは「自分の名前」これはぜひ、小学校入学前に書けるようにしておいてほしいです。
なぜかというと、入学後、書く場面が一番多いのが自分の名前だからです。
新しいノートに、テストやプリント、様々な場面で自分の名前を書くことになります。
わたしが働いていた幼稚園の地域の小学校では、机の右端に名前カードが貼ってあり、その都度それを見ながら名前を書くよう指導するそうです。
「お手本を見ながら書く練習をするのなら、入学後の学習でも大丈夫そう」
と思いがちですが・・・実はそこには大きな落とし穴が!?
どういうことかというと、名前のお手本には書き順や綺麗な文字で書くポイントなどは書かれていません。もちろん、授業で習う前の文字なので、子供たちは見よう見まねで自分の名前を書くことになります。
すると、書き順や文字のバランスなどを間違えて覚えてしまう可能性があるんですね。
一度覚えてしまうと、授業で自分の名前の文字を習ったときに癖を直すのが大変になってしまいます。
子供によっては混乱してしまう場合も。。。
なので小学校入学の前までに、自分の名前の「正しい書き順」や正しいバランスを練習しておくことをオススメします。
まずは自分の名前がしっかり書けるように、おうちで練習しておきましょう。
ひらがなを書くために重要なのは「鉛筆づかい」
書き取りの練習は「自分の名前」から始めればいいことがわかりましたが、実はいきなり鉛筆で文字を書くのはとても難しいことなんです。
鉛筆を握らせたことがない!という場合は、まずは鉛筆づかいの練習をしてみましょう。
というのも、幼稚園や保育園ではクレヨンを使うことが多いため、いきなり芯の細い鉛筆で書こうとしても、力の入れ方が分からずとても書きづらいんです。せっかく文字を書けるようになっても、鉛筆の使い方が上手にできず、美しい文字が書けないとなるとなんだかもったいないですよね。
それでは幼稚園で実践していた、鉛筆の使い方の練習方法を紹介していきます。
鉛筆が正しく持てているかを確認する
これは綺麗な文字を書くためにとても重要なことです。
鉛筆の正しい持ち方の指導方法は以下の通り。
- 利き手の人差し指と親指で鉛筆をつまむように持つ
- 中指を軽く添える
- 薬指と小指は軽く握る
- 芯の方から見たときに親指、人差し指、中指が綺麗な三角形になっていることを確認する
いろんな線を書いてみる
ひらがなを書くには、直線だけでなく曲線や丸を書くような鉛筆の運びが必要です。
程よい力加減で書かなければ、線が震えてしまったり、薄くなってしまったりして、なかなか上手に書けません。
- 縦横ななめの直線
- ジグザグの線
- くるくる円を書く
- なみなみの線
などをスムーズに書けるように練習してみましょう。
楽しく練習できる教材を使う
楽しく練習するためには「迷路」や「あみだくじ」「点つなぎ」などを取り入れるといいですよ。
「鉛筆づかい」の練習にオススメな教材を2つご紹介します。
▽カラフルなイラストで、楽しみながら学習!1冊の中で問題のバリエーションが豊富なので「遊び感覚」で学べます。
▽数字や図形に親しみながら「鉛筆づかい」の練習ができる!しかも図形認識能力も身につく!
鉛筆で迷路をなぞり、滑らかな線が書けていればひらがなの書き取りの準備はOK。
力を入れすぎて線が震えたり、力が入らずに線が薄い場合は、手を添えて力加減を教えてあげるといいですよ。
書き取りの練習を始めようと思ったらまず鉛筆づかいの練習をしてみましょう。
楽しく練習できる教材がたくさんあるのでうまく活用し、お子さんのやる気を引き出せるといいですね。
※教材の選び方はこちらの記事に詳しく書いています↓
名前が書けたら他の文字も!家庭での学習のポイントをさらに詳しく
鉛筆の使い方ができて、名前も書けるようになったら、他のひらがなの書き取りにもチャレンジしてみましょう。
ここから先は入学前に必須ということではないのですが、入学後の学習に少し余裕を持たせることを目的に、練習しておくと安心です。
しかし先ほども書いた通り、適当に覚えてしまっては大変なので、家庭での学習のポイントをしっかり押さえつつ取り組んでみてくださいね。
必ずお家の人が見てあげること
子供が自己流で書いて覚えてしまっては意味がありません。
正しい書き順や正しいバランスを覚えるために、必ずお家の人が見てあげましょう。
正しい姿勢で行うこと
姿勢が崩れていると綺麗な文字はかけません。
正しい姿勢の指導の仕方は次の通りです。
- 椅子に座る
- 両足をしっかりと地面につける
- 机とお腹の間はこぶし一つ分あける
- 背もたれにはよりかからない
- 顔がノートに近づきすぎないようにする
姿勢は慣れるまで崩れがちです。
崩れてきたらその都度伝えて直していきましょう。
ワークなどを積極的に取り入れる
お家の人がオリジナルでお手本を作ってもいいのですが、文字にはどうしてもその人のクセがついています。
できればワークなどの教材で、正しい形を学習する方がいいでしょう。
具体的な学習のポイント
- まずはお手本をなぞる
- 上手になぞれたら練習帳などにひたすら同じひらがなを繰り返して書く
- 上手になぞれない場合はトレーシングペーパーを活用し何度もなぞる練習をする
- 読み方を声に出しながら書く
- 新しい文字は1日に2文字までにする
大人は普段から何気なく文字を書いていますが、初めて文字を書く子供はそうではありません。
目で見て形を把握し、手をつかい文字を書き、頭で読み方と一致させなくてはなりません。
とても複雑な作業ですよね。
その分、学習をサポートするお家の人も大変ですが、小学校入学に向けて少しでも不安をなくすために、書き取りの練習をおうちですることは、とてもいいことだと思います。
文字を綺麗に正しく書けることってとても大切ですもんね。
ポイントを押さえて、ぜひおうちでも学習してみましょう。
まとめ
小学校入学にむけたひらがな学習は、書き取りよりも読みが肝心です。もし読みができていないのであれば、そちらから学習を始めましょう。
読みがクリアできたら、いよいよ書き取りの練習です。
入学前までに書けるといいのは「自分の名前」。正しく書けるように練習してみましょう。
今回は小学校の先生のお話を元に、どんなことを学習しておいたら良いのかと、幼稚園で実践していたひらがな書き取りの練習のポイントを紹介しました。
少し難しいように思えるかもしれませんが、お子さんが自信をもって学校生活をスタートさせるために、お父さんお母さんがサポートしてあげるのもいいかもしれませんね。
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