お子さんが幼稚園の年長組になるとぼちぼち小学校入学に向けての活動が始まりますね。
ひらがなの家庭学習をさせたいけれど、どう教えたらいいか分からない…。そんな風に思っていませんか?
子供に何かを教えるのってとても難しいこと。特にひらがな学習となると、幼稚園教諭をやっていたわたしでも、工夫が必要だなと思うものです。
「ドリルやワークなどの教材を与えるだけでいいんでしょ?」
とも思われがちですが、それはちょっと待って!!
年長の子供にひとりで自主学習をさせるのは、間違った知識をつけかねないのでオススメできません。
今回は、家庭でひらがなを教えることを前提に、学習の近道へと繋がるポイントをお伝えしていきます。
年長の子供に最適!ひらがな学習の方法
ひらがなを学習させようと思ったら、まずは読みができているかの確認をしてみましょう。
読めていない場合は、「読みの練習」からはじめることが基本です。
なぜなら、小学校の学習も「読みの練習」から始まるため。
読めていない状態で書きの練習をしても、「形を真似するだけ」でお絵描きしているのと同じことになってしまうんです。
「読みの練習」の具体的な指導方法
お家の人が子供の名前や好きな言葉などをノートに書いてあげて、声を出しながら一緒に読んでみてください。
同じひらがなを繰り返すと「形として覚えてしまう」ので、なるべく使うひらがなが「ランダムになるように」工夫しながら繰り返すといいですね。
ひらがなの学習は、まず「読み」の練習から進めることが基本です。
お子さんがしっかりひらがなを読めているかを確認してみましょう。
読みができている場合は「書き」の練習へ進みます。
年長のお子さんだと、書き取りができることは必須ではありません。しかし、小学校に入学するとすぐに連絡帳への書き写しなどが始まります。少しでも練習しておくと安心ですよね。
「書き取り」の具体的な指導方法
ドリルを使用する場合は、ひらがな練習帳も用意することをオススメします。
子供自身が書きたい文字を優先して練習させるのが良いですね。自分から「書いてみたい」と思う気持ちを大切にすることで、やる気につながりますよ。
書きたがった文字をドリルで学習したら、練習帳にお家の人がお手本を書いてあげ、子供が満足するまで書かせましょう。
こちらも読みの練習と同様、繰り返すことで身についていきますよ。
必須ではないものの、読みができていたら書き取りの練習までやっておくと入学準備として安心ですね。
年長の子供が「伸びる教え方」と「やってはいけない教え方」
子供に指導する時には、子供が「伸びる教え方」と「やってはいけない教え方」があるんです。
今回は、小学校入学前の年長組の子供に適した教え方のポイントをお伝えします。
幼稚園教諭が現場で実践している方法もまじえて、いくつか挙げていきたいと思います。
〇 子供が「伸びる」教え方
お家の人が一緒に取り組む
ひらがなの家庭学習をするときに大切なことは、どんな教材を使うにしてもお家の人が一緒に取り組むこと!
一人でやっていても退屈ですよね…。
子供ってお家の人に褒められるのが大好きじゃありませんか?褒めて伸ばすとよく言いますが、褒めると自然に伸びていくのが子供なんです。
出来ればとなりに座って、声をかけながら取り組んでみてください。
教えるというよりも、「一緒にやろう」という気持ちで取り組むと更にいいですね。
普段忙しくてなかなか子供にじっくり関われなかったとしても、「ひらがなを学習するときはお家の人と一緒!」と子供が思うことで、やる気につながるんですよ。
ぜひ試してみてくださいね。
「できないこと」にフォーカスを当てるよりも「できること」を大げさに褒める
こちらは子供のやる気を削がないためにぜひ実践していただきたいです。
意識的に褒めることで、おうちの人も前向きに教えることができるようになるのでオススメです。
具体的な例を挙げてみます。
いくつか書いた文字の中で、できていないものに「✖(バツ)」をつけるのではなく、一番上手にかけたものに「〇(マル)」を書くんです。
そうすることで自然とノートには「〇(マル)」がたくさんつくはずです。
更に良かったところを褒めながら行うと、子供の自信にもつながりますよね。
どんな子も、「✖(バツ)」ばかりつけられたノートより、「〇(マル)」ばかりのノートを見たいはずです。
この方法の場合、どこが上手に書けたかを子供と一緒に言い合うことで、さらに向上することにつながります。
まさに一石二鳥です!
褒められると誰でも嬉しいものですよね。前向きな言葉がけで、いいところを褒めることが大切です。
✖ やってはいけない教え方
「なんでできないの?」などのマイナスな声かけはしてはいけない
「なんでできないの?」と問われても、実はなんでできないのか子供自身も分かっていません。
あなたもわからない事を責められると悲しくなってしまいませんか?
マイナスな声かけをされ続けた子供は「学習自体」が嫌いになってしまいます。
気をつけたいですね。
人は自分が出来るようになると、どのようにして出来るようになったかの過程を忘れがち。
実際にわたしたち大人は、ひらがなを書けるようになった時のことなんて覚えていませんよね? それゆえなかなか書けない子供にもどかしくなり、マイナスな声かけをしてしまいそうになります。
しかしそこはぐっと我慢してほしいです。
遠い記憶をふりかえり、自分がどのようにしてひらがなを書けるようになったかを考えてみると、教え方のヒントにつながる場合もあるかもしれませんよ。
なんでできないのかを、子供と一緒に考えてあげるといいですね。
失敗した文字も消しゴムで消さずに残しておく
たとえ失敗した文字だったとしても、子供が一生懸命書いた文字です。
お家の人に消しゴムで消されてしまうと、頑張って書いたこと自体を否定された気持ちになってしまうんです。
失敗した文字でも、うまくかけた部分を褒めて残しておきましょう。
「文字は間違えちゃったけど、文字の濃さは上手だね」など、褒めるポイントはなんでもいいんです。
後から徐々に上手になる過程が見られるのも利点ですね。見返すことで子供の自信にもつながります。
失敗した文字も消さずに、その時、子供が一生懸命書いた文字を認めることが大切です。
なんど教えても上達しない…どうしたらいい?
なんど教えても上達しないと、イライラしてしまうこともありますよね。
しかし、イライラしてしまえば、お家の人も子供も辛い時間になってしまいます。せっかく子供のために始めたひらがな学習が逆効果に…。
それを防ぐためには、お家の人が焦りすぎないこと。
特別な理由がない限り、大人になってもひらがなが書けない人はいません。
大切なことは「ひらがなが書けるか」だけではなく、「ひらがなを書くための準備が進んでいるか」なんです。
お家の人がどうしてもイライラしてしまうなら、有料教材に頼ってもいいし、先生に正直に話して協力してもらってもいいんです。
無理にその時期に学習しなくても、子供自身のやる気が出た時に再チャレンジしても大丈夫です。
ひらがな自体が書けなくても、
- 鉛筆が持てる
- 鉛筆で絵が描ける
- 少しでも文字に興味がある
これだけでも、ひらがなが書けるようになる大事なステップ。そのことを褒めるだけでも子供のやる気を引き出せます。
なので「ひらがなが書けること」だけに固執しないでくださいね(*^^*)
教えることに焦りすぎず、子供をよく見て「ひらがな学習につながる良いところ」を探してみましょう。
そこを褒めつつ伸ばすことがもっとも近道になるはずです。
イライラしてしまったら深呼吸。一度ひらがな学習から離れてみるのもひとつの手ですね。
時間が経って、気持ちが落ち着いたら再開してみましょう。
まとめ
ひらがなを覚えさせようと意気込むと、どうしても出来た出来ないに目がいき、大人の方が肩に力が入ってしまいます。
しかし子供の場合、学習とはいえど、遊びの延長でひらがなを覚えていくものなんですね。
お家の人は、子供のやる気を最大限に引き出すことと、更に楽しみながら学習できるように少しだけ工夫を加えて手助けすることが大切です。
教材頼みも悪くはないのですが、ぜひともお家の人が隣に座って、一緒に取り組んでいただきたいです。
年長組くらいの子供には「お家の人と一緒にやった経験」が一番大切なんです。
幼稚園生でいる時間もあとわずか。年長の間に、思い出づくりという感覚で、楽しくひらがなを学ばせてみてはいかがでしょうか?
時間や手間はかかるかもしれませんが、結果として、そちらの方が学習の近道に繋がるでしょう。
今回挙げたいくつかのポイントが、お家の人と子供たちの役に立つと嬉しいです。
コメント